気づかないうちに定期購入に注意 

ネット通販の定期購入トラブルについて

気づかないうちに定期購入になってしまうケースとその対策

「いつでも解約可能」という表示を見て購入したのに、実際には複数回の購入が条件になっていたり、解約に手間がかかったりといったトラブルは、ネット通販でよく見られます。このようなトラブルに巻き込まれないために、以下の点に注意しましょう。

気づかないうちに定期購入になってしまう原因

巧妙な文言:
「おためし」「初回限定」などの言葉で、定期購入であることをぼかしているケースがあります。

小さな文字:
契約内容が小さな文字で書かれており、見落としやすい場合があります。

複雑な解約手続き:
解約手続きが電話のみだったり、複雑な手順を踏まなければいけなかったりする場合があります。

定期購入の見分け方と特徴

・価格が異常に安い:
初回限定の特別価格など、通常価格よりも大幅に安い場合、定期購入の可能性が高いです。

・解約条件が複雑:
「〇回以上の購入が条件」「解約手数料がかかる」など、解約条件が複雑な場合は注意が必要です。

・自動更新される:
次回以降も自動で商品が送られてくる仕組みになっている場合があります。

・解約手続きが面倒:
解約手続きが電話のみだったり、複雑な手順を踏まなければいけなかったりする場合があります。

直近の事例

近年、化粧品や健康食品を中心に、定期購入に関するトラブルが数多く報告されています。特に、SNS広告などで「初回限定」「お試し」などと宣伝され、安価で購入できることを強調する商品に注意が必要です。

クーポン利用でコースを変更される

スマホで「定期縛りなし」「初回２０００円」という美容液の定期コースの広告を見て、販売サイトで注文した。初回の商品が届き、販売業者に電話で定期コースを解約したいと伝えたところ、「４回の購入が条件の定期購入コースの契約になっている」と説明された。広告には「定期縛りなし」と記載されていると伝えたが、「特別割引クーポンを利用する」のボタンを押してコースを変更しているため、４回、約４万円分の商品を購入する必要があると説明された。納得できない。注文完了直後に割引クーポンが表示され、利用した記憶はあるが、コースが変更されるとは思っていなかった。(消費者が誤認して意思表示をした場合の取消権（第15条の4）)

このように購入回数の条件がない定期コースを申し込んだ後に、「特別割引クーポン」を使用したことで、消費者が気づかないうちに、購入回数の条件がある定期コースに変更されてしまうケースがあります。「最終確認画面」の文字が小さかったり、多数回スクロールしないと確認できなかったりと、消費者が認識しずらいことも原因と考えられます。
 

定期購入トラブルを防ぐための対策

・契約内容をしっかり確認する:
特に、解約条件や自動更新に関する項目は注意深く読みましょう。

・複数のサイトで比較する:
同じ商品を複数のサイトで比較し、価格や条件などを比較検討しましょう。

・口コミを確認する:
購入する前に、その商品やサービスに関する口コミを調べてみましょう。

・クレジットカード情報を入力する際は注意する:
不審なサイトでは、クレジットカード情報を登録しないようにしましょう。

・支払い方法に注意する：
コンビニ等の後払い決済を利用する。

通信販売における定期購入契約関するトラブルの増加を受け、事態を改善するために特定商取引法で以下の規定が新設されました（令和4年6月1日施行）。

・通信販売で契約の申込み段階における販売事業者等への一定事項の表示の義務付け（第12条の6）

・消費者を誤認させるような表示の禁止（第12条の6）

・不実告知の禁止（第13条の2）

・消費者が誤認して意思表示をした場合の取消権（第15条の4）